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時を超えた踊り

少し前から子どもらがディズニーに目覚めていおり、Disney+ を巡回する日々である。

鬼リピされるいくつかの作品のうち一つが「塔の上のラプンツェル」。

物語序盤に歌われる『I’ve Got a Dream』(誰にでも夢はある)という一曲にだんだん心を奪われるようになった。

ちょっとした教育的側面から吹き替えではなく英語で、(子どもにとっては)邪魔なので字幕もオフにしているもので、英語がさっぱりな私には何を言っているのか全然分からなかったのだけれど、何度も何度も見ているとさすがにちょっとずつ掴めてきた。

強面の男たちの、その見た目に反した可愛らしい (?) 夢が順に歌われるこのシーン、ギャップによる笑いや明るさは言うまでもないのだけど、実は父はいつも真面目に聞いている(・・とはいえ、やっぱり全部は聞き取れなかったので、歌詞は調べました)。

そうだなぁ、私にも夢がある。

それは100年後200年後に一曲だけで良いので、作品が残っていること。

毎日考えているわけではないけれど、たまに思い起こす日々の中、フォスターミュージックからの依頼で編曲したのがコチラ。

ポンキエッリはオペラ『ラ・ジョコンダ』によって、もう少し言ってしまえば、その中に含まれるバレエ音楽『時の踊り』によって、現代に名を残したと言って良いと思う。

クラシック音楽における “一発屋” として割とよく名前があがる作曲家でなかろうか?

 “一発屋”・・という言葉を使ったのだけど、あえて分かりやすくこの言葉を用いただけであって、揶揄するつもりは毛頭ない。

死後100年以上経って名が残っているなんて、とてつもなく素晴らしいことじゃない。

ポンキエッリの門人にはジャコモ・プッチーニやピエトロ・マスカーニなど錚々たるオペラ作曲家が名を連ねるわけで、当時の音楽界において彼がどのような立ち位置にいたか、想像に難くないだろう。

(Wikipediaによると多数の吹奏楽曲を残しているそうな)

今回はポンキエッリの名を後世に残した『時の踊り』を、小編成吹奏楽として編曲した。

とても良い参考音源を録っていただいたので、ぜひご一聴をば。

全曲聴いてみたい方はこのあたりがどうでしょう?

『時の踊り』と『I’ve Got a Dream』という全く関係性を持たないこの2曲が、なんだか私の心情にずいぶんマッチしたもので、この記事を書いてみた。

さらに無関係なのだけれど、『ラ・ジョコンダ』のストーリーはめちゃくちゃワタシ好みで、端的に言ってしまえば胸アツ。

本筋とは離れてこのようなバレエ音楽を挿入するのが当時の慣習だったは言うものの、あの悲劇的な物語の中にこれほどまで無邪気な曲を挿し込むなんて、あまりにも胸アツ。

なぜか?

人生における安らぎというものもまた、こういう立ち現れ方をするのかもしれないなと思うから。

蛇足1

“一発屋” で調べていたらこんなピアノ曲集を発見。

超有名曲によるピアノ曲集 クラシックの一発屋

いくらなんでも “一発屋” 括りは厳しかろうという作曲家もちらほら。

蛇足2

私も相当に髪は長いのだけど、おしりあたりからそれ以上に伸びなくなった。

若いとどこまでも伸びていくものなのだろうか・・・?